ヨーロッパの迷い方

海外旅行中級者のための旅行記

【男女差別は根深い】ポルトガルで体験したジェンダー刷り込みの話

男女差別について

今回は男女差別、というか知らない内に人々の心に刷り込まれているジェンダーについてです。

「男女差別ってこうやって起こるんだな」と思った出来事を書いていきます。

 

最初に言っておきますが、私はフェミニストではありません。

性別による非採用や所得の差などがあれば「それは駄目だろ」と声を上げる程度です。

そりゃあ、職業によっては男性の方が向いているものもあります(力仕事とか)。

また、細やかな気配りができる女性の方が向いている職業もあると思っています。

 

そういった向き不向きの問題ではなく「性差別の刷り込みって相当根深い」と感じた体験を共有します。

 

ポルトガルでそれは起きた

それは2019年8月に旅行したポルトガルでの出来事。

18泊の旅行を終え、リスボンのホテルから空港に向かうときのことでした。

 

その旅行ではエミレーツビジネスクラスを利用していました。

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A380の搭乗記。 

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B777-300の搭乗記。

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エミレーツビジネスクラスを利用すると、空港から半径数十kmまで無料の送迎がつきます。

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事前に迎えの車を予約していた私と両親は、リスボン市内のホテルでチェックアウトを済ませたところでした。

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ここの朝食はオーダー式。

甘い果物がとってもおいしかったです。 

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フロントの従業員と話をしていると、エミレーツの送迎車が二台、ホテルの前に到着するのが見えました。

「送迎車が来たみたい。お世話になりました」

とスタッフに声をかけて、私達はホテルを出ました。

 

すると、送迎車から出てきた運転手二人は真っ先父に握手を求めたのです。

私は驚きのあまり「えっ…?」と声を出しました。

(日本語だから伝わっていないだろうけど)

だって、ホテルを一番に出たのは私。

次に母、最後に出たのが父だったから。

 

黒スーツをビシッと着こなしてサングラスをかけたポルトガル人運転手は恐らくこう思ったのでしょう。

「往復30万円するビジネスクラス代を払ったのはきっと父親だろう」と。

 

いや、それ違いますから!

飛行機代を払ったのは母ですからー!

うちの父親は飛行機代もホテル代も、この旅行に関しては一銭も払っていませんから!

 

何を隠そう、うちの家計を握っているのは母。

番所得があるのも母なんです。

(私はこのとき、ホテル代と電車代を支払いました) 

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ポルトガル旅行中の滞在都市を決めたのも、ポルトガル国内の電車のチケットを取ったのも、観光の内容も全て私が決めたし、私と母に旅費を出してもらって父はのほほんとついてきただけなんです。

父が旅行中に役に立ったのは母の荷物持ちをしたくらい。

 

このとき、やっぱり少し不快になりましたよね。

 

  • 一家で一番稼いでいるのは父親に違いない
  • ビジネスクラスの代金を出せるのは父親に違いない

 

男女に関する刷り込みって本当に怖い。

こういうのをなくさない限り、男性優位は変わらないだろうと思いました。

 

ジェンダー刷り込みは世界共通

たとえばこの記事にあるように、性別に関する思い込みや刷り込みは人間の奥深くに存在しています。

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とある夫婦の妻が

「夫の仕事が長時間労働でワンオペ育児になっている。別れたい」

と言っている。

『あなたならどうアドバイスする?』という授業だったそうです。

 

夫婦の設定は、トラック運転手と保育士。

生徒はいろんなアドバイスを考えます。

 

「長時間拘束されるトラック運転手を夫が辞めればいい」

「奥さんが保育士で比較的労働時間が短いんだからワンオペは仕方ない」

 

しかしこの問題、実はどちらがトラック運転手でどちらが保育士なのかは言及されていません

生徒たちが勝手に『トラック運転手=夫、保育士=妻』と当てはめていただけ。

生徒がそれぞれ夫婦のあり方を考えた後、教員はこう言ったそうです。

 

「この夫婦は夫が保育士で、妻がトラック運転手だよ」

 

もちろん生徒の反応はキョトン。

性差別はいけないと分かっていたし、知っていたはず。

なのに職業を聞いただけで男はこっち、女はこっち、と割り振っていたんです。

 

これがまさに性差別。

 

まとめ

なかなか根深い問題で、人の中からこういう概念を完全に消し去ることは難しいです。

でもこうやって声を上げることはできます。

 

私は、ビジネスクラス代を出したのが父親だと勝手に判断したエミレーツの運転手を否定したり非難したりしません。

(エミレーツの送迎運転手は外注で、直属の従業員ではないですし)

ただ『世帯の中の所得が一番多いのが女性』ってのも今の時代、普通にあることを分かってほしいですね。

 

ヨーロッパと日本の女性の自己肯定感についての記事はこちらからどうぞ。 

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