- 物価が安い東欧は旅行者にとってありがたい
- ヨーロッパ内の出稼ぎ
- ヨーロッパの平均月収をデータで見てみよう
- 東欧の貧困国たるや…
- チェコに出稼ぎに来ていたのは…
- ワルシャワに出稼ぎに来ていたのは…
- まとめ
物価が安い東欧は旅行者にとってありがたい
かねてから私は東欧好きを公言しています。
howtogetlostineurope.hatenablog.com
このブログを以前からお読みになっている方であればお分かりでしょう。
howtogetlostineurope.hatenablog.com
しかし私がお勧めしている国は、東欧の中でも比較的かなりリッチな部類です。
もっと東の、元ソ連の辺りはなかなかヤバいです。
今回はその話をしようと思います。
![岩合光昭の世界ネコ歩き2 [ 岩合光昭 ] 岩合光昭の世界ネコ歩き2 [ 岩合光昭 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/2046/9784909532046.jpg?_ex=128x128)
- 価格: 1760 円
- 楽天で詳細を見る
ヨーロッパ内の出稼ぎ
ヨーロッパが好きな日本人、あるいはある程度共用がある日本人が考える『EU内の出稼ぎ事情』はこんな感じではないでしょうか。
旧オーストリア・ハンガリー帝国の国々がイギリス、フランス、オランダ、ドイツ辺りに出稼ぎに行っているイメージ。
まあ、大体正解です。
英語やラテン語系の言葉ができたり、一流の技術を持っていたりする人は西欧諸国にバンバン稼ぎに行っています。
ベネルクス間なんて、言葉が話せれば気軽に国外に仕事をしに行き来していますから。
だって、例えば同じ医者をやるなら「平均月収10万円のポーランドでやるより平均月収30万円のドイツで働く方がよくない?」って話なんですよ。
ドイツの医療なんてアメリカに次ぐレベルだろうしさ。
だから東欧の貧しい国はいい人材がどんどん国外に流出してしまうんですよね。
そこは日本と同じです。
ヨーロッパの平均月収をデータで見てみよう
さきほど国別の平均月収(手取り)をWikiったので画像を貼ります。
これだけだと分かりにくいとので計算して文字にします。
1ユーロ120円で計算しています。
- モナコ…627,000円(€5,225)
- リヒテンシュタイン…586,440円(€4,887)
- スイス…540,240円(€4,502)
- アイスランド…439,800円(€3,665)
- ノルウェー…414,240円(€3,452)
- ルクセンブルク…409,920円(€3,416)
- デンマーク…392,400円(€3,270)
- オーストリア…346,200円(€2,885)
- イギリス…309,960円(€2,583)
- アイルランド…307,680円(€2,564)
- フィンランド…301,080円(€2,509)
- スウェーデン…294,960円(€2,458)
- ドイツ…292,680円(€2,439)
- サンマリノ…286,800円(€2,390)
- フランス…267,000円(€2,225)
- ベルギー…260,400円(€2,170)
- オランダ…258,240円(€2,152)
- イタリア…225,360円(€1,878)
- スペイン…216,720円(€1,806)
- アンドラ…213,600円(€1,780)
- キプロス…198,960円(€1,658)
- スロベニア…148,800円(€1,240)
- エストニア…143,160円(€1,193)
- ポルトガル…124,560円(€1,038)
- マルタ…122,520円(€1,021)
- チェコ…120,600円(€1,005)
- ポーランド…113,160円(€943)
- スロバキア…110,040円(€917)
- ギリシャ…106,800円(€890)
- クロアチア…105,600円(€880)
- リトアニア…100,080円(€834)
- ハンガリー…98,880円(€824)
- ラトビア …96,120円(€801)
- ルーマニア…84,240円(€702)
- ロシア…65,760円(€548)
- ブルガリア…64,200円(€535)
- モンテネグロ…61,440円(€512)
- セルビア…57,480円(€479)
- ボスニアヘルツェゴビナ…56,160円(€468)
- ベラルーシ…51,960円(€433)
- コソボ…50,400円(€420)
- 北マケドニア…50,280円(€419)
- トルコ…48,840円(€407)
- アルバニア…47,160円(€393)
- ウクライナ…43,440円(€362)
- アルメニア…35,280円(€294)
- ジョージア…34,800円(€290)
- モルドバ…34,080円(€284)
- アゼルバイジャン…27,960円(€233)
赤文字の16ヶ国やばい…こんなに貧困国があるんですね。
ちなみに日本は17位オランダと18位イタリアの間です。
ただ、イタリア人は日本人より働いていない。
総所得は日本が上でも一時間当たりのGDPは日本の方が下ということをお忘れなく。
そして20年くらい前から日本は給与水準が全く上がっていないおかしな国だということも付け加えておきます。
東欧の貧困国たるや…
ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、クロアチア辺りの人(要するに旧オーストリア・ハンガリー帝国)が西欧に出稼ぎに行くのは、まあ分かります。
ドイツ語を話せる人が多いからドイツ語圏の国で働けますもん。
ドイツ語が分かれば英語も大体分かるからイギリスに渡れるしね。
スペインやポルトガルの人が西欧に出稼ぎに行くのも同じ要領です。
同じラテン系の言語なら比較的覚えやすいですし、フランスやベネルクスに行けばウェイトレスでもガッポガッポ稼げます。
だって自国と比べたら収入は倍以上だもの。
ポーランドやチェコより貧しい国の人は、英語やドイツ語がそれほど堪能ではありません。
移住しようにも最初に部屋を借りるお金がない。
働こうにも言葉が分からないから雇ってもらえない…という悪循環。
つまり、出稼ぎするなら比較的リッチな東欧の国=ポーランド、チェコとなる訳です。
言語も同じスラブ系で見た目だって似ていますしね。
日本人が抱いている『EU内の出稼ぎ事情』というのは、想像以上に深刻ということです。
チェコに出稼ぎに来ていたのは…
数年前にプラハを訪れた際、ホテルの清掃員さんがとてもきれいだったので話しかけてみました。
泊まったホテルはサヴォイです。
howtogetlostineurope.hatenablog.com
燃えるような赤毛と碧眼で40歳くらいの美しいその女性はベラルーシ出身でした。
簡単な英語で「You're so beautiful」と伝えると照れて恥ずかしそうにしていました。
そこで初めて「ベラルーシの人はチェコに出稼ぎに来るのか」と知りました。
こういう人にこそチップをはずみたいですよね。
と言いつつ一日100円程度しかあげられなくて後悔しています。
ワルシャワに出稼ぎに来ていたのは…
この記事で取り上げたポーランド女性。
howtogetlostineurope.hatenablog.com
彼女と同じお土産物屋さんで働いていたのはウクライナ出身の25歳くらいの男性。
彼と話したときはポーランド語と英語を勉強中とのことでした。
「日本からしたらポーランドは恐らく貧しい国という認識(というか小国?)だけど、そんなポーランドにウクライナから出稼ぎにくる人がいるのか…ウクライナはもっとヤバイんだな」と思わざるを得ませんでした。
一応フォローしておくと、ワルシャワに半月滞在して感じたのは西欧諸国に比べて治安が非常にいいことでした。
(*平均月収こそ少ないですが、ポーランドはアジアやアフリカからの移民が極端に少なく、穏やかな雰囲気の国民性と国でした)
まとめ
私がヨーロッパを旅行する目的は多々あります。
しかし楽しいことばかりではありません。
欧州内の経済格差を自分の目で見て、肌で感じて、いろいろなことに考えを巡らせれば自分の視野や価値観が広がります。
これもまたヨーロッパを旅する目的の一つです。
去年ポルトガルを訪れたときに泊まったホテルの清掃員さんは英語が全く通じなくて「英語くらい分かってよ!」となりました。
でもよく考えたら彼女達はポルトガル人ではなく、東欧やアフリカから来た移民か出稼ぎ労働者だったのかもしれません。
だって、ポルトガル人は小さい頃からアメリカのドラマを見て育っているから結構英語が分かるんですよ。
特に30代以下の若年層はかなり英語ができる。
(ヨーロッパなのにアメリカ英語なのはご愛敬。ちなみに50代以上になってくると英語力は怪しくなってきます)
清掃員のお姉さん達は20~30代で若かった。
なのに英語を話せなかったとなると外国人だった可能性が高い。
私と両親がそのホテルに滞在している間、タオル交換のみで済ませてまともな清掃は1~2回しか入れなかったんです。
一度だけ清掃のお礼に5ユーロをお姉さんにあげたとき、最初は驚いて「要らない要らない」と拒まれました。
父が部屋を出て再度渡しに行ったら喜んで受け取ってくれたそう。
チップくらい、あのお姉さん達にもっとはずめばよかった。
5ユーロあったらスーパーでパンをかなり買えるんだから。
後悔真っ最中です。