ロンドンでミュージカルを見ること
ロンドン観光の楽しみの一つとしてミュージカル鑑賞があります。
定番から前衛的なものまで、毎日世界最高のエンターテイメントを観ることができます。
どれを観ようかと色々考えを巡らせるのは楽しいですよね。
ミュージカルの定番の4作品については下記で記事にしています。
気になったら読んでみてください。
howtogetlostineurope.hatenablog.com
今回はミュージカルの定番であり代名詞とも言える『レ・ミゼラブル』のあらすじと主な人物について簡単にまとめます。
私自身、2019年のロンドンにて、予習なしでレミゼを観劇しようとしたことがあります。
旅行前にバタバタしていて原作やハリウッド版映画を見ることができなかったんです。
そんなとき、レミゼのあらすじをググりました。
すると、出てくる出てくる。
「あらすじなのに長っ!」
「読むのに何十分かかるんだよ!」
「脇役ぽい登場人物まで言及しなくていいんだって」
「大筋が分かるブログやHPはないのか…」
なサイト、ブログが。
この経験から『飽くまで簡潔に、短く。これを読めばミュージカルの予習はバッチリ!』なページがいかに大切であるかを学びました。
ということで当記事のテーマはこれです。
レミゼの予習にバッチリな10曲紹介記事はこちらからどうぞ。
howtogetlostineurope.hatenablog.com
レミゼの主な登場人物
さっそくミュージカル、レ・ミゼラブルの解説に参りましょう。
まずは主な登場人物から。
ミュージカル版レミゼは基本的にこの6人さえおさえておけば大丈夫です。
①ジャン・バルジャン … 主人公
パンを盗んだだけで重刑を課せられた中年男性。
服役→出所後、保護観察→嫌になって逃走→工場勤務→工場長→市長。
ファンテーヌの死後、コゼットの養父となる。
保護観察中に逃走したため、ジャベールに常にストーカーされる羽目に。
②ジャベール … 刑務官→警部
刑務官時代に囚人のジャン・バルジャンを見て知っており、市長になった彼を逃亡犯と疑い付きまとう。
最後はジャン・バルジャンに執拗につきまとう自分に嫌気がさして投身自殺。
③ファンテーヌ … シンママの工場勤務→娼婦
娘を地元に近い町の宿に預け、自身は工場で働く。
しかしちょっとした問題が起こり解雇→生活のために娼婦になり果てる。
病床でジャン・バルジャンに「娘を宜しく」と頼んで死ぬ。
物語の序盤でさっさと退場。
④コゼット … ファンテーヌの娘
幼少時は遠い町の宿でこき使われていたが、母ファンテーヌの死後、お金持ちになったジャン・バルジャンに引き取られてイイトコのお嬢様になる。
パリでマリウスと恋に落ち、すったもんだの末結婚。
⑤マリウス … コゼットの彼氏→夫
イイトコのお坊ちゃんだが育ちは至って地味な青年。
独学で弁護士にまでなり、革命運動に参加する。
政府と闘争の最中、大怪我を負って重体となる。
瀕死の状態だったがジャン・バルジャンに救われて回復する。
街で見かけたコゼットに一目惚れし、革命運動後に結婚。
⑥エポニーヌ … コゼットの幼馴染
コゼットが幼少時に預けられていた宿屋の娘で元お嬢様風。
コゼットが引き取られてからは両親の違法な経営が警察によって暴かれ、思春期を街の片隅で過ごす。
前からマリウスのことが好きだったが身分違いの恋と理解しており、コゼットとマリウスの気持ちを悟ると二人の仲を取り持つような行動を取る。
結局悪役になり切れないイイコ。
話のあらすじ・主な流れ
- ジャン・バルジャンが刑期を終えて出所。
- 数日に一度役所に身分証を見せに行かなければならない人生に嫌気がさし、逃走。
- 何だか分からないがいつの間にか市長にまで成り上がる。
- ファンテーヌが職場を解雇されたところにジャン・バルジャンが遭遇し、声をかける。
- ファンテーヌは生活に困って娼婦に成り下がるが、貴族に怪我をさせたことから逮捕させられそうになる。タイミングよくジャン・バルジャンが居合わせ、何とかとりなしてファンテーヌを介抱する。
- 「娘を遠い町に預けてるの。よろしく」とジャン・バルジャンに頼んでファンテーヌ死亡。
- 奴隷のように扱われていたコゼットをジャン・バルジャンが救出。
- コゼット、美しく成長する。街で見かけたマリウスに恋をする。いつの間にか両想いに。
- そんなマリウスはボンボンなのに革命運動に身を投じるアホな人。
- 革命運動仲間の友人達がバッタバッタ倒れていく中、瀕死の状態のマリウスをジャン・バルジャンが救出し、しつこく追ってきたジャベールを振り切って違う街で何とか生き延びる。
- コゼットとマリウスめでたく結婚。おめでとう。
- 二人の結婚を見届けたジャン・バルジャンはファンテーヌに導かれ天に召される。
ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観るときの注意点
レミゼは全編歌のミュージカルです。
ストレートプレイのような台詞の言い方ではなく、台詞全てにメロディーがついています。
なので気を抜いているとあっという間に置いていかれて展開が分からなくなります。
そのため、ミュージカルを観劇する前にあらすじをしっかり理解しておく、またはハリウッド版レミゼを覚えるまで見ておくといいと思います。
ハリウッド版『レ・ミゼラブル』
ハリウッド版のレミゼは出演者が超豪華です。
コゼットが『マンマ・ミーア!』のアマンダ・セイフライドだったり、
マリウスが『ファンタスティック・ビースト』のエディ・レッドメイン(ニュート)だったり、
ファンテーヌが『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイだったり、
ジャン・バルジャンが『グレイテスト・ショーマン』のヒュー・ジャックマンだったりと、
豪華な顔ぶれ。
映画一本を通しての迫力も雰囲気もばっちりです。
まあ、ミュージカルに比べてセットの規模が違うから当然か。
そこがハリウッド版レミゼのいいところかもしれません。
一方、ミュージカルを見ながら台詞を聞き取りつつ物語を理解するのはかなり困難です。
ロンドン版レミゼを観劇した際、私は40%くらいしか内容を掴めませんでした。
あらすじを理解するだけでなく、劇中歌の歌詞も頭に入れておくともっと舞台に引き込まれるのではないかと個人的に思います。
ロンドンで見たレミゼ
2019年3月にロンドンのクイーンズシアターで観たレミゼは評判通りの作品でした。
ミュージカル好きな方は是非、前方中央の良席で観てもらいたいくらいです。
その中で一つ、個人的に衝撃を受けたことがありました。
コゼットが幼少期はアジア人(中華系か東南アジアぽかった)で、成長したらアフリカ人になったことです。
参考までに、写真の左が2019年3月公演のエポニーヌ、右がコゼットです。
いやはや、時代は変わりましたね(;^ω^)
つい10年くらい前まで、レミゼのコゼットに有色人種をキャスティングするなんて考えられませんでした。
でも私が見た幼少期のコゼット役の子は凄く歌が上手で声も可愛くて特に好きになりました。
観劇しながら「コゼットがアジア人だ。素敵~」と思いました。
そのコゼットが成長して黒人女性になって、もっと衝撃が走りましたよ。
白人だろうと黒人だろうとアジア人だろうと混血だろうと、人は人。
一人の人間として舞台で輝けるチャンスを同等に与えられるのは当然のことです。
今までが普通じゃなかった。
白人優位で厳しいオーディションの中勝ち抜いた彼女は本当に凄い。
それだけじゃなく、今後ミュージカル女優を目指す若い人達の励みにもなります。
日々多様化する価値観の中でも、こういうことができる柔軟さがロンドンにはある。
それが分かっただけでもイギリスに行ってよかったと思いました。
旅行の醍醐味ってこれだよな~。
出演者の中で特に私が好きになったのはエポニーヌの歌声です。
ブロードウェイだからもちろん技術や声量や声の使い方なんかは格別。
加えて、彼女の歌からは複雑な胸の内がぐわーっと伝わってくる感じでした。
「マリウスを好きなのに思いが届かない」
「好きな人(マリウス)に好きな人(コゼット)がいて悔しい、切ない」
いろいろな感情がエポニーヌの胸中を巡っているのが客席にダイレクトに伝わって、『On My Own』を聞きながら思わず泣いてしまいました。
まとめ
登場人物の歌それぞれにいろいろな思いや複雑な事情・背景があって、観ている側にもきっと「ああ、何か分かる気がする」という場面があるのがレミゼです。
また「今度イギリスに行くときは大事な人とレミゼを観劇したい」と思わせてくれる作品でもありました。
1万円を払ってでも観る価値は十分にあります。
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観劇前に時間がある人はこちらで予習しておくことをお勧めします。
私は予習なしで見て「あんまり分からない…」となりました。
曲を大体覚えておくと更に楽しめます。